Y染色体ハプログループは民族・言語の分布と関係があると言われている。
グループ | 多い地域 | 関連する言語 |
A | ナミビア | コイサン語族 ナイルサハラ語族 |
B | 中央アフリカ | ナイルサハラ語族? |
D | 日本 チベット アンダマン | 縄文人 シナチベット語族(チベットビルマ語派) アンダマン諸語 |
E | 北アフリカ | ※アフリカ全般 アフロアジア語族 ニジェールコンゴ語族 |
C | ヨーロッパ オセアニア モンゴル 北東アジア 北アメリカ | クロマニョン人 オセアニア諸語 アルタイ諸語 古アジア諸語 ナデネ語族 |
G | ジョージア | コーカサス諸語 |
H | 南インド | ドラヴィダ語族 |
I | 北欧 | インドヨーロッパ語族(北欧・バルカン) |
J | アラビア | アフロアジア語族(セム語派) |
L | パキスタン | ブルシャスキー語? |
T | ソマリア | アフロアジア語族(クシ語派?) |
MS | パプア | パプア諸語 |
N | 北極圏 | ウラル語族 |
O | 中国 | シナチベット語族(シナ語派) オーストロアジア語族 オーストロネシア語族 |
Q | アメリカ | アメリカ先住民諸語 |
R | ヨーロッパ~インド | インドヨーロッパ語族(インド・東欧・ケルト・バスク) |
目次
分岐物語空想
現代に子孫を残す最初の人類は,アフリカ南東部に居た。Aグループ・サン族はその姿を色濃く残すと言われる。赤道から遠い温暖な地域だったため,肌の色は薄い。サン族は住処を追われ,現在はナミブ砂漠に多く住んでいる。彼らの言葉はコイサン語族。
そこから北上し,赤道直下の中央アフリカで枝分かれしたBグループ・バカ族は,小柄で色黒だ。暑い地域に適応して進化した。彼らはもともとはナイルサハラ語族だったのかもしれない。
さらに北上し,エチオピア高原で分岐したのはDグループとEグループだ。Eグループは西へ向かい,サハラ砂漠の北と南を中心に,アフリカ全土に広がった。北のグループはアフロアジア語族を話すようになり,南のグループはニジェールコンゴ語族を話すようになった。Dグループはアフリカを追われ,アジアへ旅立った。彼らは中央アジアを通り,モンゴル高原まで来たところで南下した。一部は日本にたどり着いて縄文人となった。彼らは最初の東アジア人かもしれない。おそらく中国大陸に居たDグループは,あとからやってきたOグループに飲み込まれた。今なお色濃く残すのは日本やチベットなど,人をあまり寄せ付けない地域に限られている。