カード会社シェア変遷(クレディセゾンの調べ)

ソースはクレディセゾンの発行しているIR資料「決算説明会資料」から。お金持ちの象徴だった時代から一転して,現在は取扱額がぐんぐん増えている。

かつてシェア1位だったJCBは伸びず,楽天カードが急激にシェアを伸ばしている。

目次

イシュアベース クレジットカードシェア割合[%] ※要点

年度合併・系列入り1989200220102018
JCB139.98.87.0
三井住友FGOMC(2007系列入り)8合算1317.714.3
三菱UFJFGDC(2007合併)
UFJ(2005合併)
ジャックス(2008系列入り)
合算15合算16.716.812.1
セゾンUC(2004~2019)
高島屋(2004系列入り)
?合算12.816.513.4
楽天3.213.0(成長)
イオン3.27.89.4(成長)
トヨタ6.45.2
オリコ4.13.8
VIEW3.23.5(成長)
エポス3.3(成長)
MI旧伊勢丹カード2.01.9
セブン旧アイワイカード1.51.4
アプラス1.71.1
地銀FC・BC
その他
47.640.510.310.6

各年代のクレジットカードを牽引した企業は移り変わっている

90年代以前はJCB,90年代には銀行,2000年代は信販,2010年代は流通業。

トップシェア企業は、JCB→三菱UFJ→クレディセゾン・UC→三井住友と代わり、

今の勢いが続けば次は楽天がトップに躍り出る。

トップを取った企業の凋落要因を推定すると,

JCBは国際ブランド業務とのリソース分散で成長が鈍化

三菱UFJは統合によるシステム開発コストの増大が足を引っ張り成長が鈍化

クレディセゾンはみずほグループのシステム不具合等の不安要素が足を引っ張り、最終的に業務提携を廃止

三井住友がトップを明け渡すとしたら、「クレジットカードというもの自体が持つブランド力」の衰退がその要因になるだろう。

イシュアベース クレジットカードシェア割合[%]・取扱額[兆円]※金額推移

クレジットカードの取り扱い総額は年々増えており,シェアを落とした企業であっても取扱額は増加していることが多い。

1989~1994年の情報の一部(金額)

元データ・出典情報共に紛失

単位:兆円

年度198919901994
総額101113.5
JCB1.31.51.7
住友0.81.01.3
DC0.40.40.5
UFJ0.40.40.6
日本信販0.70.81.0
その他4.76不明不明

90年代初頭はJCBがトップだった。

群雄割拠時代で,約半数が「その他」に含まれていた。

2000年~2008年

2000年代は3メガバンクの系列が一つにまとまる形で,合併が相次いだ。

4大グループへの集約が進んだ。大合併を済ませた2000年代後半は三菱UFJニコス陣営が最大勢力だった。

割合[%]

年度200020022005200620072008
JCB6.49.96.46.46.66.4
JCB関係4.54.13.43.63.5
三井住友5.79.46.47.67.77.1
三井住友関係先4.53.78.98.98.7
OMC
⇒2007年三井住友系列へ
3.73.63.3
日本信販⇒MUFG8.278.61616.315.8
日本信販関係先13.73.93.93.8
ジャックス
⇒2008年MUFG系列へ
22
DC
(⇒2007年MUFGに合併)
2.24.52.2
DC親密先23.7
UFJ
(⇒2005年日本信販に合併)
1.53.2
UFJ親密先1.2
セゾン6.47.39.69.59.79.2
セゾン出資先3.644.13.8
高島屋⇒2004年セゾン系列へ2.2
UC⇒2004年~2019年はセゾン系列45.5
UC親密先1.50.70.50.50.7
オリコ2.52.83.12.52.62.4
イオン2.73.24.34.24.64.8
ライフ1.71.61.72.4
トヨタ2.83.43.83.9
JR東日本1.522.1
アイワイ111.7
その他47.441.633.925.723.123.9

金額[兆円]

年度200020022005200620072008
総額24.5253036.238.942.4
JCB1.62.51.92.32.62.7
JCB関係1.11.21.21.41.5
三井住友1.42.41.92.83.03.0
三井住友関係先1.11.13.23.53.7
OMC
⇒2007年三井住友系列へ
0.90.91.0
日本信販⇒MUFG2.01.82.65.86.36.7
日本信販関係先0.21.11.41.51.6
ジャックス
⇒2008年MUFG系列へ
0.50.6
DC
(⇒2007年MUFGに合併)
0.51.10.7
DC親密先0.51.1
UFJ
(⇒2005年日本信販に合併)
0.40.8
UFJ親密先0.3
セゾン1.61.82.93.43.83.9
セゾン出資先1.11.41.61.6
高島屋⇒2004年セゾン系列へ0.5
UC⇒2004年~2019年はセゾン系列1.01.4
UC親密先0.40.20.20.20.3
オリコ0.60.70.90.91.01.0
イオン0.70.81.31.51.82.0
ライフ0.50.60.71.0
トヨタ0.81.21.51.7
JR東日本0.50.80.9
アイワイ0.40.40.7
その他11.610.410.29.39.010.1

2009年~2018年

2009年以降は「イシュアベース」の語があり,2008年と2009年で比較すると総額が25%減少している。

リーマンショックの影響もあるが、計算方法が変化したようにも見える。2008年以前とデータの連続性がなくなってしまった。

楽天の大躍進が目立ち、4大グループは取扱高を伸ばすもののシェアを落とす傾向にある。楽天はシェアを獲得するべく、赤字覚悟でカード事業を伸ばしている。

シェアトップは三菱UFJ⇒クレディセゾン⇒三井住友の順に移り変わったが、全てシェアは落としている。三菱UFJはシステムの統合に膨大なコストがかかりすぎた。クレディセゾンは2019年にUCとの提携が終了した。三井住友はまだ上手に立ち回ったようだが、今後は予断を許さない状況だ。

割合[%] ※はシェアのピーク

2009201020112012201320142015201620172018
JCB8.9(※)8.88.58.28.57.97.77.27.07.0
三井住友G16.917.7(※)17.516.415.615.014.814.314.114.3
MUFG18.1(※)16.816.215.114.714.614.113.613.012.1
クレディセゾン12.7(※)12.410.19.99.79.69.39.28.88.4
セゾン出資先4.04.17.1(※)6.76.46.15.75.55.25.0
楽天2.23.24.15.06.48.19.110.211.413.0(※)
トヨタ5.46.47.07.67.8(※)5.85.85.45.45.15.2
イオン7.27.88.29.6(※)9.08.99.09.29.39.4
オリコ3.54.14.1(※)3.93.73.53.43.43.43.8
View2.93.23.33.53.53.53.63.6(※)3.53.5
丸井1.71.92.12.32.62.83.03.3(※)
アプラス1.71.71.7(※)1.61.51.31.21.21.1
セブン1.51.51.6(※)1.51.51.51.51.41.4
エムアイ2.02.42.42.4(※)2.32.32.22.01.9
ライフ1.5(※)
その他+地銀系FC14.1
(↓内訳)
10.36.56.57.09.410.210.911.610.6
(地銀系FC/BC)5.7
(その他)8.4

金額[兆円]

2009201020112012201320142015201620172018
総額(兆円)30.231.933.735.939.742.745.648.953.457.1
JCB2.72.82.92.93.43.43.53.53.74.0
三井住友5.15.65.95.96.6.46.77.07.58.2
MUFG5.55.45.55.45.86.26.46.76.96.9
クレディセゾン3.84.03.43.63.94.14.24.54.74.8
セゾン出資先1.21.32.42.42.52.62.62.72.82.9
楽天0.71.01.41.82.53.54.15.06.17.4
トヨタ1.62.02.42.73.12.52.52.52.73.0
イオン2.22.52.83.43.63.84.14.55.05.4
オリコ1.11.31.41.41.51.51.61.71.82.2
View0.91.01.11.31.41.51.61.81.92.0
丸井0.60.70.81.01.21.41.61.9
アプラス0.50.60.60.60.60.60.60.60.6
セブン0.50.50.60.60.60.70.70.70.8
エムアイ0.60.80.91.01.01.01.11.11.1
ライフ0.5
その他+地銀系FC/BC4.23.32.22.32.84.04.75.36.26.1

2020年決算説明会資料から、参考推計データは示されなくなってしまった。

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