僕は、小学校の時の理科の実験を思い出しました。水を黒、白、透明の紙コップに入れ、同じ時間日に当て、水の温度差を測る実験です。結果は、黒い紙コップの水が最も温度が高かったのですが、水の量を変えたならば、同じ紙コップでも温度が変わるのじゃないかと考えました。それを実験してみることにしました。
プラスチックコップ4個 |
温度計2本 |
おそらく、水の少ないプラスチックコップの方が、量が少なくて速く暖まるため、他のプラスチックコップに比べて暖かくなると思う。
また、日光に当てていたプラスチックコップの方が、影においたプラスチックコップに比べて日光のエネルギーをふんだんに浴びるため、温度が高くなると思う。
日なた | 日かげ |
1,透明コップ4個にそれぞれ量の違う同じ温度の水を入れる。 1・3本目:1dl 2・4本目:2dl |
2,朝から晩まで全ての透明コップを同じ時間外気にさらし、透明コップを十分にあたためる。 |
3,1本目、2本目は直射日光に当て、3本目、4本目は日光に当たらないようにする。 |
4,同時に、透明コップを置く場所の近くに温度計をつるして温度を採る。(葦簀の中が理想的) |
5,その後それぞれの透明コップの水に温度計を差し、温度の差を調べる。 |
6,同時に、透明コップに水を入れた時から水の温度を調べるまでの気温の変化を採っておく。 |
1本目:1dl | 日に当たらないようにする | |
2本目:2dl | 日に当たらないようにする | |
3本目:1dl | 日光に当てる | |
4本目:2dl | 日光に当てる |
日: | 2005年8月27日(たまたま一日中よく晴れていた日) |
開始時刻: | 午前8時 |
終了時刻: | 午後3時 |
実験開始 | 実験終了 | |||||||
時刻 | 8:00 | 9:00 | 10:00 | 11:00 | 12:00 | 13:00 | 14:00 | 15:00 |
水の温度1(影100) | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 34 | 29 | 33 |
水の温度2(影200) | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 34 | 29 | 33 |
水の温度3(日100) | 27 | 31 | 34 | 34 | 36 | 37 | 31 | 35 |
水の温度4(日200) | 27 | 31 | 34 | 35 | 36 | 37 | 31 | 35 |
外気温 | 31 | 34 | 35 | 34 | 36 | 37 | 35 | 34 |
影100 | 100ml水を入れ、影において実験したコップ |
影200 | 200ml水を入れ、影において実験したコップ |
日100 | 100ml水を入れ、日なたにおいて実験したコップ |
日200 | 200ml水を入れ、日なたにおいて実験したコップ |
「気温で水をあたためる時に、水の量によって温度の上がり方が違う」という予想を立てました。実験の結果、予想は当たらず、水が周りの温度で暖まる時はいくら水の量が違っても温度の上がり方に全く差がないことが分かりました。
このことについて僕は、「周りの温度による水の暖まり方は、水入りビーカーをバーナーで熱する場合と大きく違い、全ての水にまんべんなく熱が伝わる。」と考えました。
「日光に当たっていた水の方が、日光に当たっていなかった水に比べ良く暖まる」という予想を立てました。予想は当たり、日光に当たっていた水の方がよく暖まりました。
このことについて僕は、「日光の暖かいエネルギーを直接浴びて暖まった水は、日光の暖かいエネルギーが他の物に浴びせられてから、その熱エネルギーを間接的に浴びた水と比べて、『直接浴びる』ことと『間接的に浴びる』ことの大きな違いがあるからここまで大きな差が出たのだ。」と考えました。
「水の量を変えても、周りの温度による蒸し器のような暖まり方では、これといった変化が見られなかったのならば、やはり色によって温度を変化させるしか方法がないのではないか。」ということで、同量の水に色を付けて同様の実験をしてみたい。
「日光の暖かいエネルギーを直接浴びれば暖まりやすい。」ということだったが、今回の実験では、日光に当てなかった物と比べても、あまり変化がなかった。だから、もっと確かめてみたい。
日かげの水の温度と、温度計の目盛りの温度に大きな誤差があった。温度計も影ではかったのに、ずいぶんと差ができた。もう一度計り直してみたい。
僕は、「温度の変わり方は同じ物なら同じ一定の変化をする物だ。」と考えていまし
た。しかし、それは覆されました。水は日で直接フライパンのように熱した場合と、間接的に周りの温度で蒸し器のように熱した場合とで全く違う温度変化をしました。これこそ「身近な不思議」だと思いました。